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メール配信2

「買った人にセールスメールが届く」事故は、なぜ起きるのか

ヒルトル・フィリップ太郎

オンラインで商品を売っていると、かなりの確率で一度は経験する事故があります。

買ってくださったお客様に、「あと3時間で締切です」というセールスメールが届く。

私も何度かやりました。届いた方からすると、お金を払った直後に「まだ買っていない人」として扱われるわけですから、気分の良いものではありません。

なぜこれが起きるのか、順番に見ていきます。

原因は「連携の時間差」

購入が発生してから、メール配信ツールが「この人は買った」と知るまでには、いくつかの段階があります。

  1. 決済サービスで支払いが完了する
  2. 決済サービスから、販売ページのシステムへ通知が届く
  3. 販売ページのシステムが、メール配信ツールへ「購入者タグを付けて」と伝える
  4. メール配信ツールがタグを付ける
  5. 配信中のシナリオが、そのタグを見て停止する

この1から5の間に、数秒から数分の時間差があります。ツールが増えるほど、段階が増え、時間差も伸びます。

そしてセールスの締切直前は、購入とメール送信がいちばん重なる時間帯です。時間差の中に送信が挟まる確率が、一年で最も高くなります。

さらに悪いことに、失敗しても気づけない

3番目の「メール配信ツールへ伝える」が失敗したとき、多くの場合エラーは表に出ません。

購入者ご本人は決済が終わっているので何も気づきません。販売側も、注文は入っているので気づきません。気づくのは、セールスメールを受け取った方から「もう買いましたよ」と連絡が来たときです。

連絡をくださる方はまだ親切なほうで、たいていは黙って解除されます。

対処法は2つしかない

1. 時間差を人力で埋める

締切直前は配信を止めて、購入者リストを手で確認してから送る。実際にやっている方もいます。

確実ではありますが、いちばん忙しい時間帯にいちばん神経を使う作業をすることになります。私はこれで何度もミスをしました。

2. 購入とメール配信を同じ場所に置く

購入の記録とメールの配信予約が同じデータベースにあれば、時間差そのものがなくなります。

送信する直前に「この人は買っていないか」をその場で確認できるので、連携の成否に依存しません。

私がファネリオを作るときに最初に決めたのは、この2番目でした。

実際にどう止めているか

Fanelioでは、次のいずれかが起きた時点で、その人に向けて予約されていたメールをすべて取り消します。

  • 商品を購入した
  • 配信を解除した
  • 迷惑メールとして報告した
  • メールが届かなかった(バウンス)

大事なのは、すでに送信待ちの列に入っているメールも取り消すという点です。「これから予約するメールは止める」だけでは、締切直前のいちばん危ない1通が残ります。

もう1つ、同じ人に同じメールが二度送られないよう、送信の記録をデータベース側で一意にしています。処理が途中で失敗して再実行されても、2通目は物理的に作れません。

まとめ

この事故は、注意力の問題ではありません。ツールを分けている限り、時間差は必ず存在します。

もしいま複数のツールをつないで運用されているなら、少なくとも締切直前の配信だけは、購入との突き合わせを自分の目で確認する運用にしておくことをおすすめします。

そして、ツールを見直すタイミングが来たときは、「購入とメールが同じ場所にあるか」を確認してみてください。カタログの機能一覧には載っていない、けれど毎回効いてくる違いです。